総合危機管理学会(SIMRIC)通信 No.7 2019/10/04

今回のSIMRiC通信は、巻頭エッセイにおいて、文字通り世界を股にかけて飛び回って研究調査をなされている八田会員(本学会常務委員)による、海外渡航に係わる危機管理超面白エッセイを掲載しております。是非お楽しみ下さい。また、去る2019年5月26日(日)に行なわれました第4回学術集会の様子についても概要をご報告いたします。
なお、会員の皆様への研究関連のご案内や、今後の本学会への希望や意見などを求めるアンケートを実施中です(後掲)。是非、忌憚の無いご意見ご要望などをお寄せいただければと存じます(常務委員会)。

◇コンテンツ◇
1 【総合危機管理学会「巻頭エッセイ」】(八田珠郎)
2 【総合危機管理学会第4回学術集会報告】
3 【学会からのおしらせ】
   (1) 常務委員会からのお知らせとお願い
   (2) アンケート回答のお願い
   (3) 学会誌「総合危機管理」編集委員会報告
3 【危機管理にかかわる他学会、他組織での関連イベント・行事等】

1 【総合危機管理学会「巻頭エッセイ」】

海外渡航における危機管理
Crisis Management for Overseas Travel

八 田 珠 郎
Tamao HATTA
千葉科学大学 危機管理学部 環境危機管理学科・航空技術危機管理学科
Department of Environmental Risk and Crisis Management and Department of Risk and Crisis Management for Aviation Technology, Faculty of Risk and Crisis Management, Chiba Institute of Science

1. はじめに
筆者は、野外調査や学会等のため海外に単独あるいは数名の同行者で赴くことが多く、種々の経験をした。一般に、書籍やネットなどで対象地域での危機管理に関する事例が掲載されていることが多い。本稿では、自らが各地で体験した病気に対する注意、泥棒などについて記述することを目的とする。海外渡航先での危機管理意識を持つことにより、可能な限り危機に巻き込まれないようにする必要性を述べる。ただし、もとより筆者はコラムやエッセイ(随筆)や埋め草を書くのが苦手なので、あまりご参考にはならないかもしれない。

2. 西アフリカ(とくにサハラ以南)のサバンナ地帯における病気
アノ「地球の歩き方」ですら、現在「西アフリカ」は出版されていない。それでも、調査や探査のために行かなければならぬ時もある。結果として何度も訪れた。
(1) 危機の筆頭は感染症としてのマラリア(malaria)である。現在5種類のマラリアが知られている。病原体は原虫(寄生虫)で、発熱が特徴で持続期間や潜伏期間は種類により異なる。夕方から朝方にかけて、フラ~っと飛んでくるハマダラカという蚊が媒介する。マラリアに罹るとは、肝臓に原虫が入ることであり、キャリアとなる。つくば市内で、よくアフリカに調査に行く6名が居酒屋で飲んでいるとき、3人がマラリアキャリアであった。自分たちは「Mariah Carey (マライア・キャリー)みたい~」などとぬかしていたが、きっともう諦めていたのであろう。
とにかく予防が大事である。渡航前に抗マラリア剤として知られている塩酸メフロキン錠剤を日本で入手する。この薬は一週間タイプであり、現地到着日の一週間前から飲み始め、当然、帰国後一週間まで飲む。ただし、注意書きに副作用が多いと書かれている。筆者は多量の水とともに薬を飲むためか経験していないが、副作用の一つになぜか「悪夢」がある。友人が「悪夢を見ましたぁ~」と言うので、「ねぇ、どんな夢だったの?」と聞くと「イヤ~、これだけは八田さんにも言えません」と答えた。想像もつかないが、夢の内容がよっぽど異常だったと推測される。現地の薬局では、二日ごとに飲むタイプなども手に入るが、日本の病院で購入する方が確実である。
(2) 黄熱病(yellow fever)。野口英世もガーナ共和国の首都であるアクラ(Accra)で、黄熱病により亡くなった。この病原体はウイルスであり、これまたネッタイシマカという蚊が媒介する。感染すると発熱、寒気、頭痛、筋肉痛、吐き気等の症状が現れるという。感染可能性がある国では、入国審査時にイエローカード(Yellow Fever vaccination certificate)の提示が義務づけられている(図1)。これは、黄熱の国際予防接種証明書である。2016年より前は10年間有効とされていたが、その後に生涯有効となった。
(3) その他、筆者はA型肝炎、狂犬病、破傷風、腸チフスなどの予防接種を行っている。黄熱病ワクチン接種は、各地の検疫所やごく一部の病院で行われているが、一度に複数の予防接種は 受けられませんと言われる。電気のない村に行くと、しきたりで来訪者に水を出してくれる。あまり、イヤかなりキレイではない器に水がなみなみと入っている。死ぬ気で少し口に含んだことがある。筆者は極度の便秘症だが、さすがに経口感染性下痢にはなりたくない。ネズミや巨大カタツムリや種々の発酵食品を食べたが、現在までで下痢も含めて病気になったことは幸いなことに一度もない。

fig1.jpg図1 筆者のイエローカード(国際予防接種証明書)

3. サハラ砂漠などの乾燥地帯での病気
アラブ・マグレブ連合(AMU: Arab Maghreb Union)の数ヶ国を訪れたときのこと。モロッコからアトラス山脈を越えて、サハラ砂漠の調査に行ったとき、いい気になって、極度の乾燥地帯でタバコをドチャクソ吸っていたら、疲れも加わって扁桃腺に口内炎のようなものが複数できてしまい、喉が痛いのなんの。発熱も伴い、フェズ(فـاس‎、Fez)市というところのホテルで数日間外に出られなかった。ホテルの従業員から、地中海南部のオレンジをたくさんいただいた。染みた。抗生物質を持っていかなかったことも原因の一つで、これ以後海外渡航時には必ず日本から持っていく。また、別の渡航で同行者が発熱したことがあり、伝染病の可能性も考えられたため、日本から持参した抗生物質を飲ませた方がよいのかどうなのか迷ったこともある。とにかく予防が不可欠で、たくさんの蚊対策用から始まり、ありとあらゆる薬品を持っていき、どんなに暑くても肌を露出しないようにしている。

4. 泥棒
(1) 複数人での調査の場合、現地集合が多い。このため、一人で空港を利用することが多い。一人であると大量の調査用の荷物などほとんどを搭乗前に預けるので、手持ちの荷物は大事なもののみになって後は身軽になる。4人でガーナの首都アクラからローマ(Fiumicino)空港経由で成田への帰路につくときのことだった。夜にアクラのKotoka空港に着いてアリタリア航空の出発カウンターに行くと「今夜のローマ行きは飛ばない」と言われてしまった。「はぁ~っ!? なんで?」と聞くと「(冗談だと思うが)パイロットが疲れているから」と言う。「そんなバカな?」 と思いつつ、アリタリア航空が手配したアクラ市内からかなり離れた高級ホテルに泊まることになった。翌日の便を指定されたが、予定によるとローマでもう一泊しなければならなくなっていた。ローマのホテルに20時半頃入りカウンターで宿泊の手続きをしている時だった。カウンターから10mほど離れたトイレに行った1分間、私がトイレから出ると3人が慌てている。聞くと一人のカバンが無くなったとのこと。カウンターから5、6m離れたソファー辺りにみんなの荷物をまとめて置いていたところから、一番良さそうなカバンを盗み取ったようだった。誰も気づかなかった。ローマで重い荷物を持って行動するのがイヤだったため、4人ともKotoka空港内で可能な限り、航空会社に預ける方の旅行カバンに移していた。置き引きにあったカバンの中には貴重品ばかりが入っていたという。クレジットカード、データの入ったPC、翻訳機、現金(日本円にして約20万円)等が盗まれてしまった。教訓は、1~2人の行動であると問題ないが3人以上であると気を抜いてしまうことである。
(2) パリ市内の混雑したエスカレータでのこと。堂々と前の人のバックパックのファスナーを開け、勝手に中からものを盗っていた。誰も止めたり、注意する人はいない。よく言う話だが盗られる人が悪いということになってしまう。
(3) インドネシアのジャカルタ(Soekarno–Hatta空港)に着いたばかり、荷物を引き取って驚いた。鍵が壊されている。諦めるしかなかったが、もちろん滞在先のホテルで従業員の手を借りて何とか応急処置を施した。調査のため、ジャカルタからボルネオ島バリクパパン(Balikpapan)のスルタン・アジ・ムハンマド・スレイマン(Sultan Aji Muhammad Sulaiman)空港に行き、しばらくバリクパパンに滞在した。再び空港からSoekarno–Hatta空港に戻ると、また、新たに鍵周辺をこじ開けようとした痕跡が残っていた。次に、スマトラ島パレンバン(Palembang)のスルタン・ムハンマド・バダルディン2世(Sultan Mahmud Badaruddin II)空港を訪れた。パレンバンは、スマトラ島の南部にある都市である。調査やセミナーを終え、Soekarno–Hatta空港に戻ると、二つ預けた旅行カバンのうち硬い布製の方に切り裂こうとした跡が残っていた。1回の出張で、3回もカバンが狙われたのは初めてであったが、いずれも中身は無事であった。インドネシアでは、独立時の歴史的経緯、日本による橋梁建設などの土木工事、さらに現在でも日本への留学生が多く、基本的に親日的、さらに食べ物がおいしいので、筆者は旅行カバンがいずれかの空港で何度も被害に遭ってもインドネシアが大好き。だって、Soekarno(初代大統領)–Hatta(初代副大統領)空港だから(図2)。インドネシアの大学や研究所のみなさん、すぐに名前を覚えてくれました。ちなみにMohammad Hattaさんは、近くも遠くも筆者の親戚ではありません。

fig2.jpg図2 Soekarno–Hatta空港での筆者


(4) フランス東北部のストラスブール(Strasbourg)に住んでいたころ、直接の教授から南部の「マルセイユ大学に一週間行ってきなさい。顕微鏡岩石学で有名なN教授のところでいろいろと勉強できるから」と言われた。真っ青な空、歴史を感じさせる大学、研究室の壁は真っ白。さらにおいしいお魚と言うことがなかった。帰る前日に、ストラスブールまでの切符をサン・シャルル駅(Gare de Marseille-Saint-Charles)に買いに行った。駅から長い階段を降りると緩やかな下り坂の広い並木道がある。人通りは少ない。歩いていると、二人の太目のおばさんに声をかけられた。ところが、何を言ってるのかわからない。一目でg○t○n(フランス語)とわかる。一人のおばさんは赤ちゃんを抱いている。でも道を聞いているらしいことはわかった。「私はアルザスから訪れているので、マルセイユの市街地のことはよくわかりません」というと、足早に去って行った。そこへ、すぐに婦人(フランス人)から声をかけられた。「あなた、ポケットから何か盗られたわよ。私見ました。」さっと振り返ると二人が路地に入るのが見えた。あわてて後を追いかけた。捕まえて問いただしていたとき、二人ともバッとスカートをまくり上げた。何もはいていない。何も盗っていないという意味であろう。あまりにもビックリしたが、明らかに泥棒ということはわかっているので、赤ちゃんを抱いている方には平手打ち、もう一人にはゲンコツで殴った。二人は崩れ落ちたが、こっちが怖くなり、走ってその場から去ってしまった。おそらく、盗られた財布(小さな巾着袋)は赤ちゃんの下にあったのだろう。念のためいつも所持金を分けて持っているので、帰ることはできる。しかし、巾着袋には1万円以上もする帰路の切符も入れていた。この巾着袋には思い出があり、結婚前に二人で岩手県岩泉の龍泉洞に行ったときオソロで買った龍ちゃん(マスコットキャラクター)が描かれているものだったので余計にくやしかった。翌朝、リヨン乗り換えでストラスブールまで各駅停車。長かった。
(5) モロッコのカサブランカ(Casablanca)市内の喫茶店でミントティーを飲んでいたとき、見知らぬ若者が、自分と同じテーブルの空いている席を指して「ここいいか?」と聞いてきた。「いいよ」と言うと座り、すぐに飲み物を注文し、飲み終えるとお金を払わずに出て行ってしまった。店員が筆者に「あなたの友達か?」と尋ねてきたので「いいえ」と答えると、彼は走って外に出ていった。見ると店員がボコボコに若者を殴っていた。無銭飲食は頻繁らしい。
(6) マドリードの地下鉄に乗っていたとき、ドアの近くに立っていたら、バックパックの脇のポケットに入っていたデジカメを盗られそうになった。もちろんデジカメに付けたストラップをバッグに結んであるので窃盗はされなかったが、二人の女子、またまたG○t○no (スペイン語)風だった。次の駅で二人は降りた。こっちがジーっと見ていると二人はこっちを見返し、ニコッと笑って駅の通路に消えていった。

5. その他
イヤな思い、困った思いをしたことは多々ある。いくつかの普通では考えられない経験を紹介する。
(1) シリアのダマスカス(دمشق Dimashq, Damascus)空港でのこと。ダマスカスから300km以上北にあるアレッポ(حلب‎, Aleppo)に行き、現在は15ある国際農業研究協議グループ(CGIAR: Consultative Group on International Agricultural Research)に所属する国際乾燥地農業研究センター(ICARDA: International Center for Agricultural Research in the Dry Areas)を訪問した。仕事が終わり、3日後に車でダマスカスに戻り、やっとフランクフルト(Frankfurt am Main)空港に行けるぞと思っていた。出国審査も終え、搭乗するだけだと思っていたら、短い列ができている。気になっていたのは空港内に多くの銃をもった緑系軍服を着た兵士が立っていたことだった。列の先頭にもそんな兵士がこちら向きに立っている。筆者の前の大柄の白人女性の番になり、何かが終わって自分の番になった。何と下腹部を念入りに握られた。ビックリしたが、とりあえず通過できた。前の女性に聞いてみると、胸を触られたと言う。後でわかったが、爆弾の起爆剤である電池を隠し持っていないかの検査とのことであった。
(2) アフリカでの調査や岩石採取を終えヘトヘトになり疲れ切ったまま、トルコ南西部のアンタルヤ(Antalya)で行われる国際会議に発表のため訪れた。一週間の会議を終え、地質、岩石、鉱物関係の日帰りの見学旅行にも参加した。疲れも取れ、地中海で泳ぎ、後はイスタンブール(Istanbul)経由で日本に帰るだけとなった。複数の荷物のうち一つには、大事な研究材料であるアフリカの砂岩(sandstone)しか入っていない。重い。アンタルヤ空港で入口(図3)のX線検査装置に大きなカバンを通したら、周りから人が集まってきた。どうみても警官と空港警備員、7人に囲まれてしまった。英語もフランス語も通じない。どうやら地中海に広がる古代都市国家の遺跡泥棒と思われているらしい。遺跡は石灰岩(limestone)からできているので、何度も「これはアフリカの砂岩だ!! アンタルヤの石灰岩じゃない!!」と主張した。でも、わかってくれない。心の中では「砂岩と石灰岩の区別もつかないのか!! コノヤロー!! もっと地球科学の勉強をしておけ!!」と思ったが、もちろん言えません。結局、自分が何者で、学会での発表の内容をもう一度やさしく喋った。奥でいろいろ調べたのか、30分程度で解放された。その代わりに、その場でしっかりとたくさんの検査済シールを貼ってくれた。最後に、彼らは笑いながら「Heavy」のシールも貼ってくれた。

fig3.jpg図3 アンタルヤ(Antalya)の古代都市国家遺跡(劇場)。     

fig4.jpg図4 アンタルヤ(Antalya) 空港の国内線入口。この画像を撮ってから数分後に筆者は取り調べを受けた。

6. おわりに
 この他にも小さいながら種々の事例がある。例えば、ロストバゲージ。筆者は完全な紛失の経験はない。次の便で無事に到着したことはある。乗り継ぎのため10時間以上ロンドン(Heathrow)空港内にいたとき、飲料水の自動販売機に何人もがお金だけ吸い取られていた。アムステルダム(Schiphol)空港の男子トイレの便器の位置が、筆者には高すぎ。焦った。フランスでパスポートを盗られた人もいる。このような場合、再発行が必要なので常に2枚はパスポート用写真を用意しておく。10年以上前に改装されたが、パリ(Roissy-Charles-de-Gaulle)空港のターミナル1では、円形の仕切りから外部への出口がたくさんあったので、到着した人との待ち合わせのときに、どこから出てくるかわからない。グルグル回ってしまったこともある。放射状道路でも一本間違うと、目的地からドンドンと離れていってしまう。最後に、喫煙者のために一つ。ほとんど全ての空港でタバコは吸えたが、数年前のイスタンブール(Atatürk)空港の国内線には喫煙所がなかった。以上のようなことを経験すると、準備の大切さを痛感する。一人で10時間以上待つことにも慣れてしまった。
渡航前に、可能な限り最大限の危機を予測しておくことをお勧めする。それにしても、渡航先では何が起こるかわからない。

2【総合危機管理学会 第4回 学術集会 報告】

 さる令和1年5月26日(日)、本学会の第4回学術集会が多数のご参加者による開催されましたので、ここにご報告させていただきます。
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<大会テーマ:経済社会の技術革新と危機管理>

【総合危機管理学会 第4回学術集会 感想記】
大会長 佐藤 幸光

 第4回学術集会は、さまざまな分野で活用されているAI (人工知能)の最新の知見や今後の動向について、医療分野、防災分野に的を絞って、それぞれの専門家より、大変有意義な講演を拝聴した。
 教育講演では、「医療分野におけるAIの最前線―AIで医療は変わるのかー」と題して  
馬込 大貴先生(駒沢大学 医療健康科学部)よりお話を伺った。AIの基礎から始まり、人工ニュートラルネットワークの動作原理等について言及された。 
現在、放射線診断領域で活用されているコンピュータ診断支援(Computer-Aided Diagnosis:以下 CAD)についての話を中心に、現状と今後の動向について話を伺った。
大変、興味深い内容のある教育講演だった。
続いて、午後のシンポジウムでは、4名の演者の皆様から、AIの最近の知見と動向並びに今後の展望について紹介された。それぞれの演者の皆様方の講演終了後に、引き続き、全体討論に移り、会場に参加された会員の皆様との質疑応答を行った。
医療分野からは、奥山 康男先生(駒沢大学 医療健康科学部)には、「AIを活用した 医療安全と実践」と題し、医療安全を担保するというビッグテーマに、テクノロジーの超 大作ともいえるAIが活用が想定される領域やメリット・デメリットを実践面から言及された。続いて、山舘 周恒先生(人間総合科学大学 人間科学部からは、「AI活用による感染対策と実践」と題し、ICTが感染症患者を迅速に検知して感染予防と治療状況を把握することや抗菌薬の使用状況の調査と指導、それに職員の感染予防の教育など、その業務は多岐にわたる点について言及され、AIがセキュリティのしっかりしたURLなどを通して利用できることにより、規模の小さい医療機関へも拡大し、日常診療での感染対策のさらなる浸透が期待されるとのことであった。
 最後に、本学術集会でご講演をしていただきました演者の皆様方、会場にお越しいただきました会員の皆様方、事務局の皆様方のご協力・ご支援に衷心より感謝申し上げます。 ありがとうございました。
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以下のプログラムで予定通り開催された。(敬称略)
<プログラム>(敬称略)        総合司会:三村 邦裕
【Ⅰ】教育講演 『医療分野におけるAIの最前線-AIで医療は変わるのか-』
     馬込 大貴(駒沢大学 医療健康科学部 講師) 司 会:佐藤 幸光

【2】口述発表        司 会:①~③佐藤 庫八、④~⑤嶋村 宗正
①    古積  博「消防法危険物の爆発危険性」
②    柴田 伊冊「空港の危機管理」
③    柳田 信也「消防隊員の暑熱環境下におけるアイススラリー接種による
身体冷却効果」
④    中村伊知郎「オーバーツーリズムと定住外国人の流入に関する問題」
⑤    佐藤 和彦「オールハザードに対応する総合災害対応訓組織」

【3】基調講演 『自然災害における危機管理の果たす役割と実践的方策』
     松田 学(元東京大学大学院客員教授) 司 会:黒木 尚長

【4】シンポジウム:「AI活用による総合危機管理」
司 会:佐藤 幸光、木村 栄宏
①    奥山 康男「AI活用による医療安全対策と実践」
②    山舘 周恒「AI活用による感染対策と実践」
③    仲西 宏之「防災における情報伝達方法のあり方とAI活用」
④ 高坂  匠「防災における情報伝達方法のあり方とAI活用 実践編」

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以下、いくつかの項目について、簡単な紹介・感想を以下に示します。(敬称略)
           
【口述発表】
口述発表1 古積  博  (消防研究センター・フェロー)
 「消防法危険物の爆発危険性」

 発表者は、消防研究センターの危険物研究室長、火災原因調査部長等を歴任された爆発物に関する調査、研究の専門家である。
 化学工場等の爆発災害、テロにおける爆発の原因物質は、消防法の危険物であることが多いという。そのため、使用された物質の爆発危険性を調べ、その評価試験法について検討した結果が発表された。
 爆発を引き起こす危険物のうち、特に爆発(爆ごう)を起こしやすいものは、第1類(酸化性固体)、第5類(自己反応性物質)の危険物であるという。また、最近の爆弾テロでは第5類有機過酸化物に相当するアセトンが使用されているとのことだ。
 評価方法は、第1類危険物は燃焼試験、打撃感度試験、鉄管試験により、第5類は熱分析試験(爆発の危険性評価)、圧力試験(激しさ)によって行われた。
 試験の結果、主な爆発物の爆ごう速度(m/s)は、TNTが6900と最も大きく、テロ爆発に用いられた過酸化アセトンは5300であったという。
 爆発した瞬間の映像を見ることができたが、その威力のすさまじさには目を見張った。
この爆破に用いられる物質を容易に入手し、製造できる能力を有したテロ集団が存在しているという事実を認識することができた。
 今回15分間という短い時間で技術的観点からの報告であったが、今後、設置された爆発物の解除方法、要領について聴講したいと思った。
 (佐藤庫八 常務委員による執筆)

口述発表2  柴田 伊冊 (日本空法学会会員)
      「大規模空港の危機管理から」

 発表者は、成田空港に38年間勤務され、運用管理部門、航空機事故対応、警備警察対応、企画部門などを歴任し、現在は同空港で航空燃料基地の防災を担当されている。
 大規模空港の危機管理について計画し、実践されてきた専門家である。
 「総合危機管理」という用語は、大規模国際空港の危機管理を表現するには極めて適切な言葉であると言い切っている。
その背景は、成田空港では一日10万人の旅客が出入りし、約4万人の従業員が集散する施設である。ここでの危機管理の対象は犯罪、事故、自然災害、伝染病などさまざまである。これらに対処する空港内の機関や方法も様々である。このため対処の標準形として国際条約(シカゴ条約、19附属書)が定められているが、空港の性格を反映して分野ごとに細分化され、内容も多岐に亘っているという。
このように危機管理の対象が広範囲に及ぶときの対処の要諦としては、誰が「主導」するのかということと、対応の仕組みについての関係者間の相互理解、「連携と協同」であると発表者は強調した。
連携と協同について、空港内の航空事故を例に日本と外国の対処の違いを説明した後、日本と欧米の違いは消火から救難、そして搬送という対応の流れでのそれぞれの活動相互の接点における関係主体のあり方にある。この場合に求められるのは対処の進行に伴う「活動主体の円滑な移行」と「連携と協同」であると述べる。
総合危機管理について、日本ではよく米国のFEMAの設置を求める声が出てきたり、消えたりしている。FEMA方式の権限を集中して対処する方法と、日本の既存の組織による対処(縦割りの弊害もあるが)、いずれが適切なのか今後とも続くテーマであると感じた。
 最後に空港の危機管理を設定するときに求められるのは3点、必要な資機材の常備、活用できる人材の確保、状況の総体的な把握であるという。
 同感であり、これらの機能を使いこなせる、実践できる能力を高めるためには各機関独自の訓練と各機関相互の連携訓練だと思う。
 日々危機と直面している実務家の発表であり有益な話を聞くことができた。
(佐藤庫八 常務委員による執筆)

口述発表3  柳田 信也 (東京理科大学 准教授)
 「消防隊員の暑熱環境下におけるアイススラリー接種による身体冷却効果」

本発表は、東京理科大学と東京消防庁消防技術安全所との協同研究成果の代表者による発表である。
 アイススラリーとは何か、門外漢の筆者には皆目見当がつかなかった。アイススラリーとは、氷と水の混合物とのことであった。このアイススラリーを実験に参加した東京消防庁の消防官6人に飲んでもらい、実際の消防活動と同じ環境下における消防官の体温の変化を実証実験した結果が報告された。
 このアイススラリーは、細かい氷を含んだ飲める水とのことであった。しかし、実験に参加した隊員によると、ざらざらした氷であり、飲みづらかったとのことであった。今後は、丸く滑らかな氷にしていく研究を進めると述べていた。
 この研究は、過酷な環境下で消火活動を行う消防隊員の熱中症対策の一環として行われた。消防隊員の活動安全性を向上させるため、スポーツ科学で行われている暑熱環境下における身体冷却方法を採用して、その効果を検証したのである。その方法としてアイススラリーと水を摂取させての比較研究である。
 実験は、消防隊員に通常の火災・災害現場での同じ装備を装着させ、恒温恒湿室においての運動実験である。環境条件は、常温25度、高温40度、相対湿度70%である。
運動条件は、20分間の踏み台昇降運動を30分間の休息を挟み2セットである。
 隊員は運動開始前、休息中、運動終了後に、アイススラリー、もしくは水500gを摂取した。
 測定項目は、直腸温、皮膚温、心拍数、血中乳酸量、血中グルコース量、尿比重だ。
 測定結果によるとアイススラリーを摂取した場合、水と比べると直腸温と皮膚温の低下が起こることが明らかになったとのことである。
 筆者の大学では将来消防官を目指す学生が多く、関心をもって聞いた。この実験を継続して行い、スムースに飲めるアイススラリーの製造に期待したいと思う。

口述発表4   中村伊知郎氏
  オーバーツーリズムと定住外国人の流入に関する問題

観光産業の成長、オリンピックの実施、産業界における人材不足などのため、外国人の受け入れが積極的に進められている。このような外国人流入による外国人の急増に伴い、我が国における資本、雇用、文化面など日本人に対する不利益が浮き彫りにされてきている。
日本人が蒙るこれら不利益について具体的に紹介し、他国の考え方や仕組みを踏まえながら、我が国における外国人受け入れに潜む危機について韓国との付き合いが長い発表者が問題提起した。
重要なことは、やみくもに外国人を受け入れればよいということではなく、我が国の経済や行政の仕組みの中で外国人と共存する仕組みを作ることであるとして、発表者は数々の提言を行った。
(嶋村 宗正 常務委員による執筆)

口述発表5  佐藤和彦氏
       一般社団法人ふくしま総合災害対策対応訓練機構の設立意義

311に関わる福島の復興を図る国、県、民間などの活動を踏まえて、本年4月に一般社団法人ふくしま総合災害対策対応訓練機構が設立された。この機構が設立された背景、設立目的及び今後の計画などわかりやすく紹介された。
このふくしま総合災害対策対応訓練機構は、福島の復興、防災立国日本の実現、危機管理能力の高い日本人の育成の3つの目標を掲げ、未来の災害対応を図るためには総合的な災害対応訓練を実施することが重要としている。特に、南相馬市に整備される福島ロボットテストフィールドを利用して、災害対応訓練を行う計画を持つことなど今後の取り組みについて紹介された。災害に関係する企業、組織との連携さらには各種学会との連携などを図っていく予定である。今後、総合危機管理学会との連携も図っていくと述べられた。
(嶋村 宗正 常務委員による執筆)

【3】基調講演 『自然災害における危機管理の果たす役割と実践的方策』
     松田 学(元東京大学大学院客員教授)

松田 学 氏の基調講演は、今まで誰も言おうとしなかった、国家における危機管理の現状について、サイバー技術、経済問題、自然災害について、具体例を示しながら、批判的に論じた上で実践的な方策を示した、素晴らしい講演内容であった。以下に、講演内容の概要を示す。
平成の30年間に本格化した世界の3大潮流、 ①グローバリゼーション、 ②IT革命、 ③金融主導経済は、国境を越えたモノ、カネ、ヒト、情報等の流れを著しく激化させ、特に先進各国において多様な形態のリスクを拡大させた。なかでもIT革命の進展に伴って加速度的に拡大したサイバー攻撃のリスクへの対応は、今や国家安全保障の中核的課題になっており、危機管理の射程として、サイバーセキュリティと、危機の「見える化」があるが、日本の備えは、諸外国と比べ、十分であるとは言いがたいとした。
日本では、平成の30年間に結果的に経済危機管理ができていなかったことから、度々の経済危機に見舞われた。それがなければ、現在のようなゼロ金利にならなかったかもしれない。今後、日本経済が破綻したときにどう対応するかの経済危機管理が重要になるであろう。
日本は自然災害が世界で5番目に多く、激甚災害が多い国であるが、意識の高まりが低く、備えが十分であるとはいえない。自然災害の分野でも、レジリエンス(しなやかな復元力)の重要性が指摘されており、日本政府の「国土強靭化」も、近年、ハードからソフトへと対策の重点のシフトが進んでいる。
自然災害における防災・減災対策の実践的な方策は、 ①発災の瞬間の個人の行動(自助)、 ②発災、及び直後の助け合い(共助)、 ③専門的知見に基づくシステマテイツクな救済、救援、復旧のノウハウの構築(公助)からなるが、特に公助は心許ない。具体的対策としては、 (1)危機の「見える化」による人間の意識面、知識面での備え(災害や避難のシミュレーションや、実際に災害時において行動に結びつくような疑似的実体験に基づく体感的な面も含めた日頃の防災教育)、 (2)リスクコミュニケーションの組み立て(地域での防災コミュニティの構築と役割分担の明確化、正確な情報伝達経路の確定と、適切な情報生成・発信の仕組みなど)、 (3)災害時のバックアップ体制の構築や発災後に派遣する専門的コーディネーターの育成確保など国の体制整備(情報学も視野に入れた危機管理を独自の専門領域とする横断的機能としての「総合防災庁」の設立など)と、これを地域における受け皿と一体的に体系化するシステムの構築が挙げられる。災害被害の極小化を目指した方策をとる必要がある。
国家の存在理由は不確実性の軽減にあり、民間にはできないことをするために存在するのが国家(政府)である中にあって、不確実性の代表格でもある激甚自然災害に関する危機管理は、まさに国家の存在理由の重要な柱になるものである。国家機能の強化には消極的だった日本においても、せめて他の先進国並みの危機管理体制の構築と、災害へのシステマティックな対応の組み立てが急務である。
(黒木 尚長 常務委員による執筆)

3【学会からのお知らせ】

(1)常務委員会からのお知らせとお願い
危機管理、リスクマネージメント、クライシスマネージメントについてだれかと議論をしていて、「あれ?」という経験したことないですか?
例えば、リスクの確率の考え方、扱い方が違うということに基づいて次のようなことはありませんか?
自動車が硬い壁に時速200kmもの速度でぶつかるとすれば、おそらく運転者は助からないでしょう。したがって、この状態について危険度でいえば100%だとある人は言います。しかし、このような状態ではまず助からないのだから、危険度はゼロだという人がいてもおかしくありません。
このように危険度、リスクと同じ言葉を使っていても、なにかニュアンスが違うということを経験された方がおられたら、次の観点で常務委員会までご一報ください。メール、ファックス、郵送、電話なんでも結構です。
 1) どのような「用語」について見解が違ったか。
 2) それはどのような人達と議論しているときか。
総合危機管理学会として、ニュアンスの異なる用語を収集し、用語辞典にまとめ上げることを考えていきたいと思います。
どんな些細な内容でもいいので、皆様方の経験を下記までお知らせください。
メールアドレス:info@simric.jp Tel:0479-30-4636  Fax:0479-30-4750

(2)アンケート回答のお願い
平素は総合危機管理学会会員として、学会事業にご参画いただき、誠に有難うございます。今後の学会運営にあたり、より充実した会の実施及び会員のご希望や意識を把握させていただきたく、学会員を対象としてアンケートの実施を行っております。会員の皆様におかれましては、アンケートへのご協力を賜りますようお願い申し上げます。
参考までに、アンケート調査の内容を下記に示しますが、回答は、以下のウェブページにアクセスいただき、入力していただけるようお願いいたします。
アンケート回答フォーム アドレス
(Google Formを利用しております)

総合危機管理学会 2019会員アンケート

平素は総合危機管理学会会員として、学会事業にご参画いただき、誠に有難うございます。今後の学会運営にあたり、より充実した会の実施及び会員のご希望や意識を把握させ…

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参考:アンケート内容
・あなたの属性は?
1.危機管理に関する研究に関与 2.危機管理に関する実務に関与  3.その他
・総合危機管理学会への入会目的は何ですか? (複数回答可)
  1.研究論文等の発表の場 2.情報収集 3.交流 4.実務上必要なため 5.その他
・本学会への期待は何ですか?
  1.最新研究や知見等の獲得 2.発表の場として 3.人的交流の促進 4.共同研究や企画の実施
   5.社会への提言  6.学会活動を通じた社会貢献  7.その他
・学会でテーマを決めて検討会活動を行なうとした場合、下記への参画のご意向はありますか? 
  1.定義検討分科会 (※)危機管理に係わる用語や概念について統一的な定義を決めて今後に活用させる事を目的 
2.学会認定独自資格検討会  3.新技術と総合危機管理(AI, IoT, Fintech等)検討会 4.その他
・本学会に関する、ご意見、ご感想など(自由記述)
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今後の学会活動の改善につなげるため、アンケートへのご協力をお願いいたします。
                                                                    (3) 学会誌「総合危機管理」編集委員会報告【学術論文投稿のお願い】
また、学会誌「総合危機管理」では、随時学会員の皆様よりの学術論文の投稿を募集しています。ご投稿いただいた学術論文は査読手続きを得て、掲載が受理されたものより随時「総合危機管理」へと掲載いたします。投稿規定などは学会ホームページ(http://www.simric.jp/journal/information-authors/)で公開しておりますのでご確認ください。皆様の論文投稿を編集委員一同お待ちしております。

4【危機管理にかかわる他学会、他組織での関連イベント・行事等】

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関連学会・関連イベント情報
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○防災教育チャレンジプラン 防災教育交流フォーラム
「これからの防災教育を語るキーワード~「学校」「地域」「カリキュラムマネジメント」~ 」
・主催:防災教育チャレンジプラン実行委員会
・協力:消防庁、文部科学省、国土交通省ほか
・日程:2019 年10 月19 日(土)14:30~16:00
・場所:名古屋コンベンションホール中会議室301 号室
・詳細:http://bosai-kokutai.jp/

○第8 回防災学術連携シンポジウム・日本学術会議公開シンポジウム
「あなたが知りたい防災科学の最前線—激化する気象災害に備えるー」
・主催:日本学術会議 防災減災学術連携委員会・防災学術連携体(57 学会)
・日程:2019 年10 月19 日(土)16:30~18:00
・場所:名古屋市ささしまライブ24 エリア・メインホールB
・詳細:https://janet-dr.com/060_event/20191019/20191019_leef.pdf

○地域安全学会第45 回(2019 年度)研究発表会(秋季)
・主催:地域安全学会
・日程:2019 年11 月1 日(金)~2 日(土)
・場所:静岡県立大学草薙キャンパス(予定)(静岡市)
・詳細:http://isss.jp.net/

○World BOSAI Forum(第2 回)
・日程:2019 年11 月9 日(土)~12 日(火)
・場所:仙台国際センター・東北大学川内萩ホール(仙台市)
・詳細:http://www.worldbosaiforum.com/2019/

○第28 回全国救急隊員シンポジウム市民公開講座
「地域の安全をみんなで守る」~ともに助け合う社会へ向けて~
・主催:仙台市消防局、一般財団法人救急振興財団
・後援:消防庁ほか
・日程:2020 年1 月31 日(金)9:30~12:10
・場所:仙台国際センター会議棟 桜(仙台市青葉区)
・詳細:https://28sendai99sympo.com/

○第25 回日本災害医学会総会・学術集会
・主催:日本災害医学会
・会長:中山伸一(兵庫県災害医療センター・センター長)
・日程:2020 年2 月20 日(木)~22 日(土)
・場所:神戸国際会議場、神戸商工会議所、アリストンホテル神戸(神戸市中央区)
・詳細:https://site2.convention.co.jp/25jadm/

◆会員に周知や紹介したいイベント・行事等がございましたら、行事名、主催、日時、場所詳細リンク先 等を、総合危機管理学会事務局(info@simric.jp)までお送り下さい。
※ご住所や連絡先,ご所属や職名,書類等送付先の変更・訂正は,郵便,メール,またはFaxで下記の学会事務局までご連絡ください。
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総合危機管理学会 事務局
千葉県銚子市潮見町3 千葉科学大学危機管理学部内
email info@simric.jp, tel 0479-30-4636, fax 0479-30-4750
http://www.simric.jp/